レモンの果肉と初恋を思い出して。

こんばんは。久しぶりにここ開いたらコメントついててびっくりした。ハイジSです。

結局地元のなんてことない私立大学の文学部に進学しました。文章を書くことが上手になりたいと思って、まぁあとは、行きたかったところに落ちて。大学に入ったので、本当に毎日バイトしかしてない。本も読まないし、課題もぎりぎりだし、英語の小テストの点数は最悪だし。高校のときから代わり映えしないような生活をしてます。

少しバンドとライブから離れて、ジャニーズのアイドルを追いかけて、恋をしたけど上手くいかなくて、1日だけ落ち込んだけど、大好きなバンドの新譜を聴いたら全部がどうでもよくなった。いわゆる躁鬱を繰り返して、意識が高い日は何でも貪欲にやるのは楽しいと思えるけど、ほかの日は全部、ぼーっとしてたら終わる。本当に悲しくなることはないけれど、少しだけ楽しいと思える日が多くて、でもぼんやりしたまま毎日が過ぎていく。


6月3日 誕生日
この日は平日。朝の5時から好きな人と重めのLINEをしてげんなりしながらシャワーを浴びて登校。学校で友達からティラミス風プリンを奢ってもらう。学校からバイト先へ直行する日だった。バイト先で先輩から「誕生日にバイトとか絶対俺ならしない」って言われた。帰り道にiPodを見たら母親からLINEが来ていて、「ケーキとカレーあるけどいつ帰る?」18時に送られていたものを読んだのは22時だった。帰宅すると母親は寝ていたけれど、せっかく大好きなカレーが作ってもらえたからと食べた。普段はあまり食べない。母親が起きだしてケーキを食べようというから食べた。わざわざ私たちが食べたことのないケーキ屋さんを調べて買ってきてくれたらしい。とてもあっさりしていておいしかったけど、地元の有名店のほうがおいしいねと言って食べた。

6月5日
高校の友達とご飯を食べた。私の好きな人はもう彼氏みたいになっていて、まぁつまり、身体的な関係も少しだけあったのだけど、付き合ってるわけじゃないから、と言われていて。私は好きだけど向こうはそうじゃないのに、そういう関係になってしまったからどうしようという、ありふれた愚痴を聞いてもらって、結局その場で私をどう思ってるのか聞いた。友達としか思えないと言われた。でも私は、会えなくなるのはいやだと思った。なのに自分からは連絡しませんと返したのだから、バカだなぁと思うけど。今まで連絡はきてないからそういうことだろう。貸したスマブラだけは返してほしい。

6月7日 サカエスプリング
前日のバイトがラストまでで疲れが抜けないまま早起き。クアトロへ行ったはいいものの別のジャニーズのイベントチケットをとるために10時から電話をかけ続ける。全くつながらなかったから15分無駄にした。クアトロのトイレでチェコを聴いた。バニラズ、楽しかった。SALOVERS、楽しかった。少しだけ物販で古舘くんと話す。新曲、ずっとこんな曲が聴きたいと思ってました、と伝える。嘘くさい感想だと我ながら思うけれど、本心。サインをいただいてダイアモンドホールへ向かう。白シャツに下駄の古舘くんはきれいでかっこよかった。ダイアモンドに滑り込んでガリレオガリレイを見る。とても眠たかったけど、とても良いライブだった。デビュー前から知ってて、ずっとCDを買っていたのにはじめて見た。尾崎くんは、こんなところで歌いたくはないのかもしれないけど。なにかを感じ取ろうと、言葉にしようと必死になるライブは久しぶりだった。移動してフレデリックを見ようと思ったけど、疲れてたし、並んでるから見れないかもと聞いて、やめた。フラッド、50回転ズを妹と見る。いつ見てもフラッドは踊り狂えるし、佐々木さんはかっこいい。50回転ズは2回目なのにほとんどの曲知っててびっくりした。サタデーナイトだけは、ワタルくんの歌詞がどうしても頭に浮かんできてしまって入り込めなかったけれど。そしてお目当ての髭を見る。前回と同じ、愛にあふれたステージでとても心地よかった。新曲も、とても素敵。たぶん前も聴いたと思う。須藤さんが掌握して、変化させる空気が好きだ。ライブ後に外へ出たら、物販に須藤さんがいたので少し感想を話して、妹と3人で写真を撮ってもらう。妹の浮かれ具合がかわいかった。そして最後、アルカラを見る。楽しかった。


6月8日 サカエスプリング
お目当ての時間が遅かったので新栄に車をとめてルーマニア料理を食べる。うさぎがいてかわいかったし、ビーフシチューみたいな料理がおいしかった。そのまま歩いてタイトロープに移動。さっそくひーくん、大河さん、ヤギサワさんに会う。ハーフムーンスパイラルを見て、少し前に移動すると、入場規制がかかった。抱きしめるズを見に来たわけではないかもしれないけど、本当に嬉しくてやった!と思った。リハでミッシェルの「世界の終わり」をやっていた。世界の終わりには紅茶飲んで過ごしたい、ってやつ。ベボベがオマージュしたあれ。ひーくんは赤いスーツになっていて、最初から客席にダイブしていた。本当に絶好調だったのは言うまでもなくて、32%どころじゃなかった。どんどんファンが増えていくし、少しずつ、楽しいと思う気持ちが増えていくのは嬉しい。ヤギサワさんと鳥羽さんが目線を合わせて笑い合っていたのがとても印象的だった。本当に、拳を挙げて応えることができてうれしいなぁ。ライブが終わってLINEをしていたら友達から先日のジャニーズのイベントチケットが取れたと報告される。びっくりした。慌てて連絡しているとDJみそしるとMCごはんが始まったのでそのまま見る。なんにせよ白玉が食べたくなるライブだった。物販にひーくんが残ってて、少し話して外に出る。新栄に向かって歩いたら、機材車(といっても軽自動車並みに小さいレンタカーだった)に機材を詰め込む3人がいたので、話す。結局全員揃って、このまま帰ると言うので、また来てくださいねといって別れた。スタバに寄ったり薬局に寄ったり、ふらふらしながらロックに入って、ユリイカというバンドを見た。お酒が飲めるようになったらロックに来たい。よく分からない、液体が入ったおもちゃみたいなのをずっと眺めていて、欲しくなった。ロックを出てアポロベースに入る。改名してからはじめて来た。シーハーズを見て、セカイイチを見た。セカイイチは、とても歌がうまくて、バンドマンという曲がすごく良くて、ファンもたくさんいて、みんな楽しそうだった。そのまま前列、2列目のボーカルマイクスタンド前にいると、青いシャカシャカを着たワタルくんが出てきて、どうもシスタージェットです、なんて言いながら。リハではなんか有名な洋楽。オアシス?グリーンディ?忘れた。前も聞いた気がするけど高崎のときかな。ライブでは黒いシャツ前開け。セットリストはいつもと変わらず。ハローグッバイデイズからはじまって、リバティーシティマシンガンで終わる。またかよ、ってなるけど、好きだからいいやってなっちゃう。とにかくスーパービッグが好きすぎて、本当にかっこいいし楽しい。15歳のときから変わらずどきどきする。そんな曲をずっと作ってくれるのは、シスタージェットくらい。変わらずずっと、大好き。アンコールは珍しくキャラメルフレーバー。いつも本編でやるから、珍しい。帰りにワンマンのチケットを買った。少なくとも前回のワンマンより売れてるから安心した。

6月12日
五限まで授業を受けて急いで新栄へ向かう。KANA-BOONの名古屋初ワンマン。10分前に滑り込んで、グッズを買ってフロアに行くと満員だった。暗転すると人ごみが動く。意外とお客さんを入れてなかったことに気付く。もちろんソールドアウトだけど、もっときつきつに詰め込んでいると思っていたから。最初は後ろのほうで見ていて、途中から前へ。KANA-BOONのライブではサークルモッシュしないと決めていたのだけど、まあ、サークルできてるし、なんか変な男の人が「盛り上がっていくぞー!」とか煽ってるし、うーんと思いながら見ていたら、「東京」のイントロで起きた手拍子を鮪さんが遮る。「手拍子とかいいんで」空気が変わったのを、フロアの、踊りたい人たちのちょうど真ん中にいた私はものすごく感じた。そのままもやもやとして、数曲聞くとMCへ。鮪さんがさっき言った言葉の意味を話し始める。いつだったか、大分前に鮪さんの『サークルで背を向けないで、目を見てほしい』というブログを読んでいたから、まぁそういう話なんだろうなと思ったら案の定で。笑いも挟みながら、真面目に話していた。「好きなように、自由に楽しむっていうのはもちろんいいことなんですけど、ひとりだけやったら自由じゃないっていうか…サークルの傍で痛い思いをしている人がいるかもしれない。みんなが楽しめるっていうのは難しいかもしれないけれど、周りに目を向けて、楽しんでほしい」要約するとこんなようなことを言っていた。そのあと、でも自由に楽しんでくださいねって締めて、ライブが続く。でもなんとなく空気は萎えたような、気の抜けた炭酸みたいな感じで。そしたらまたMCで「本当好きに楽しんでいいんですよ!」と鮪さんが言う。最後、ないものねだり。やっぱりサークルモッシュができる。とても盛り上がっていた。そして挨拶では、観に来ていた女の子から「最高の誕生日になりました!」という声が飛ぶ。それをメンバーが拾う一幕。アンコールはフルドライブで終わり。楽しかったなぁ。トリッキーなのは、あなたたちです。



KANA-BOONのライブがマナー論争の一部であるのは紛れもない事実というか、鮪さんが言い続けるからなんだけど(良し悪しではない)でもそんな話は、ずーっと何年も前から何度も繰り返されてきたから、本当に個々人、思っていることはある、でしょう。バンドマン、観客、それぞれ。
私は、手拍子をしたり手を挙げたりするのは、二通りの意味があると思ってて。一つ目は、「かっこいいよ」「楽しいよ」という感情を、こちらから目に見える形でステージ上に提示するっていう意味。二つ目は、周りの観客と同じことをすることによって、まぁかっこつけて言うと、カタルシスを得るっていう意味。後者は、別によく知らないバンドだったり、初めて見たからコール&レスポンスとかお決まりのこともよく分かんないなぁってなっても、とりあえずやっとけば楽しめる、っていう側面もある。平たく言えば周りに合わせるってやつで、日本人だからそうしたがる。で、私が個人的に大きな意味だと思うのが、前者。
ライブに行き慣れてくると興味ないバンドを見る機会も絶対的に増える。どれだけライブを見ても、心を動かされないバンドがあるのも事実。そういう時私は基本的に、こっちから向こうにレスポンスしません。まぁ、お情けですることがないわけじゃない、ですけど。本当いやらしい話だなこれ…ともかく、感情が動かないライブに意味なんてないし払うお金もないですから、そういうときはこっちは消費者だと思って、そうするわけです。だから、本当にかっこいいし楽しいライブをするバンドは初見でも曲知らなくても、レスポンスします。具体的に名前出すとキュウソ最初に見たとき、そうだった。レスポンスを返すことはきっとバンド側にも意味がある、と思う。でも、「東京」のときの鮪さん、KANA-BOONには、それはいらなかった。
別にレスポンスの方法が手拍子とか手挙げるとか分かりやすいものだけではなくて、鮪さんの言う『目を見てほしい』っていうのは、そういうことだと思う。真剣に聴き入っているというのもレスポンスのひとつ。その表情を見たい、ってことなんでしょう。それは正論だし、本人の口から言わなきゃ分からないことなんだから言って悪いことじゃない。でも、それを言うことで空気が変わったのは事実。その空気を感じ取ったから、数曲後のMCで「好きに楽しんで」って言ったんだろうな、と思う。

もう一つ、その日誕生日だった子が「最高の誕生日になりました!」というのを拾った、ということがあった。メンバーはおめでとう、と言って何歳になったの?と聞いた。18です、と答えを聞いて、18歳のときにどんな風だったのか話す、という流れがあった。結局、飯田さんの面白い話で終わったのだけど、私はそこにずっと違和感を感じてて。鮪さんはMCで「ひとりだけ自由なのは違う」という主旨のことを話していたけれど、この場合ってそれに当てはまるんじゃないのか。ずっともやもやしながら考えていた。その子「ひとり」がその発言をしたこと、それを拾ったこと。別に私は、その子が誕生日だろうがどうでもいい。別にそんなことは、ライブ中にメンバーに向かって話すべきことじゃないと思う。その発言は、会場の1000人を巻き込んで、おめでとうと拍手を沸かせて、その子だけが特別だと、瞬間ではあるけれど会場内をそういう空気にした。それは、その子「ひとり」が自由に楽しんだだけで、私は全然楽しくなかった。

そういう話は鮪さんがしているから他のメンバー、バンド名ではなく「鮪さんが」と言うけれど、結局、鮪さんは賢くて、真面目で、そしてゆとり世代の寵児みたいな人なんだと思った。嫌いだからとか悪い意味で書くのではないということをはじめに断っておくが、真面目だからマナー論争を流すことなく取り上げて自ら発言するし、ゆとりだから発言した結果空気が淀むと(言葉は悪いけれど)弁解するような発言をするし矛盾したような言動をするのだと思う。端的に言うと、真面目だから我を通したいけれど、ゆとりだから強く言えない。私はこのライブを見た上でそう思った。そして私は、真面目、かどうかは分からないけど頭はかたいゆとりど真ん中だ。
この先鮪さんがどうしたいのか分からないし、このまま言い続けるのか、適当なところで折れるのか、それこそゴッドオンリーノウズだけれども、私はどっちを選んでも納得すると思う。でも今のところ、自分の考えを言い続ける鮪さんは、とても賢くて、真面目で、強い人だと思う。ファンの母体数が増えれば、メンバーでもないのに盛り上げようとする奴や、自分の境遇を話す奴、それはもういろんな人間を抱えていかなければならない。でもそれは、ある種の代償だし、仕方のないことだ。だからこそ、どんなファンも受け入れていく中で『目をみてくれる』ファンを少しでも増やさなきゃいけない。それはとてつもなく大変なことだけれど、もしかしたら、できるかもしれない。そうなったらいいなと、私は思う。


多くのファンを抱えたバンドも、こじんまりとしたバンドも、色々見てきたし、見ている。KANA-BOONは、キャパ100人のライブハウスでやってるときから見て、今は1000人以上を相手にするバンドになった。私なんかよりもっともっと好きの割合が多い人がたくさんいる。それにもう、きっかけになりうるバンドだから、この記事だってそれなりの人に読まれるだろうし、眉唾ものだと思われるだろう。それでも別にかまわなくて、私があの日のライブを見てこう思った、ということを残しておきたい。だから書いた。楽しいと思う気持ちと好きだと思う気持ち、それがすべてだと思ってこれからも色んなバンドを見ていきたい。次にライブハウスで見る機会があれば、目をみて応えたいと思う。